昨年度、深刻化する空き家問題の対策として、東京都豊島区が若者のシェアハウスや高齢者のグループホームに活用する条例案を策定しましたが、建築基準法にない新しい運用に国土交通省が難色を示していました。しかしその後、調整の結果、東京都豊島区は、空き家をシェアハウスとして活用しやすくする事業を2018年度4月から始めることができるようになりました。

空き家をシェアハウスにする場合、建築基準法の用途を変え、大幅な改修が必要となる為利活用が進みませんでした。

複数の人間が個別にオーナーと契約し共同生活するシェアハウスは建築基準法で「寄宿舎」の用途になります。寄宿舎は防災対策のため、非常用照明や火災報知機の設置などが必要となります。一般的に改修費用は数百万かかるため、シェアハウスを諦める空き家のオーナーも多くおられます。

昨年11月15日豊島区条例案可決

今回の条例では次の条件が盛り込まれています。

  • 居住希望者全員が連名でオーナーと入居契約をする
  • 入居者全員が家賃滞納の連体責任を負う。
  • 居住者全員が親族関係でないこと
  • 家族のような住み方をすれば「住宅」の用途はそのままとする

これらの条件をかせる事により、用途変更をせずシェアハウスとして使用出来るようにするようです。この方式は、他の区にも広がりそうです。

インバンド対策にはとても有効と思われます。

豊島区の空き家の状況

「平成 20 年住宅・土地統計調査」によると、豊島区の住宅総数は 168,250 戸であり、このうち「居住世帯あり」は 141,130 戸、「居住世帯なし」は 27,120 戸である。空き家は 21,680戸となっており、住宅総数に占める割合は 12.9%である。(参考:東京都 11.1%、特別区部11.3%)。