サブリース契約は、転貸借を目的とし契約ですから、その旨を明記しているかどうか、転貸の条件、維持管理の内容、サブリース期間中における貸主への報告などを明確にした上で契約を結ぶ必要があります。契約内容の確認に当たっては、国土交通省住宅局が、「サブリース住宅原賃貸借標準契約書」とその記載要領などを公表して、全般的な注意点をまとめていますので参照して下さい。

契約に当たり、最低限次の条項を確認してください。

まずは、

(第1条 契約の締結若しくは目的)にある「転貸しを目的」とした賃貸借契約であるかの確認をして下さい。

 

例;(契約の締結)

第1条 貸主(以下「甲」という。)及び借主(以下「乙」という。)は、頭書(1)に記載

する賃貸借の目的物(以下「本物件」という。)について、以下の条項により、転貸す

ることを目的とする賃貸借契約(以下「本契約」という。)を締結した。

 

  1. 契約期間
  2. 契約賃料
  3. 更新
  4. 免責期間
  5. 原状回復費用

ワンルームマンションの場合契約期間はほとんどの場合が2年毎の更新です。中には5年という会社もありますが、その場合は、②の契約賃料は2年毎に改訂できるなどと記載されているはずです。 ③の更新については、サブリースする会社が拒否できる仕組みにもなっています。

契約に当たり、①~⑤の条項は、最低限確認しておいて下さい。

民法改正法の施行に向けての対応が必要

 民法改正や賃貸住宅管理業者登録制度をはじめ、現在を取り巻く環境の変化等を踏まえて、賃料の改定時期等の明確化、サブリース業者から契約を解約できない期間の設定、賃貸不動産経営管理士等の記名押印欄の追加、転貸の条件項目への民泊の可否に関する事項の追加などの改定(平成30年3月)が行なわれています。

改定した「賃貸住宅標準契約書」には「家賃債務保証業者型」や「極度額の記載欄」を設けています。近年、住宅の賃貸借において新規契約の約6割が家賃債務保証サービスを利用していることを踏まえ、新たに「家賃債務保証業者型」を作成。民法改正によって、賃貸借契約書に連携保証人が保証する上限額(極度額)の明記が必要になります。平成32年(2020年)4月1日に予定されている民法改正法の施行に向けての対応が必要となります。

大谷昭二(日本住宅性能検査協会理事長)

 

資料

改定サブリース住宅原賃貸借標準契約書

http://www.mlit.go.jp/common/001230367.pdf